東北に球団が来たときの話

某広告代理店の仙台営業所の人の話

就職活動していた頃だから、もう数年前の話になるんだけど、広告代理店へ面接を受けに行った友達から聞いた話。
#彼は仙台勤務を希望していて、その年は仙台としては新人を受け付けていなかったらしいんだけど、友達は、話だけでも聞きたい、みたいな感じで何回か足を運んでいました。今思えばそんな学生に付き合う社会人ってすごいな。

当時、仙台でスポーツ観戦と言えば、ブランメル仙台改め、ベガルタ仙台でした。もともと地元愛が強い風土なので盛り上がってはいたんだけど、2001年、「あれ? もしかしてJ1上がれる?」みたいなことになったときに観客動員数が倍増。
そして2002年にJ1に上がると、それはもう、村に電気が通った的な盛り上がりを見せていました。
居酒屋ではベガルタの話をしておけば知らない人とでも盛り上がれたし、山田のメロンパンは飛ぶように売れました。
そんな時代。
その奇特な広告マンは、KY学生にこんな話をしたそうな。
「仙台を盛り上げるにはどうしたらいいと思う?」
ベガルタをもっと広めればいいんですかね。まだスタジアム行ったこと無い人いっぱい居るだろうし」
「いや。こういうときは、あと1個ベガルタ級のものを別軸で立ち上げたほうが良いんだよ」
「えっ」
「あと一つの団体がベガルタ級に育てば、経済効果は単純計算で倍だよね。しかも、そうなったときには、ベガルタのファンは勝手に増えてる」

この話を聞いたのが2002年。まさにベガルタがJ1に上がってイケイケドンドンの年に、別の構想を考えている。当時は単純に感動したのを覚えています。
で、まあ、結果は誰もが知っての通り、2005年、東北に新球団が誕生します。
すぐ、この話思い出しました。その頃から準備してたのかはちょっと分からないですけど、まあ、ガシャーンて繋がりました。

で、結果どうだったの? 2つ団体を作ることで盛り上がったの?

ベガルタのほうは、年間の合計入場者数で言えば増えています。途中J2に落ちても、です。
一試合平均の入場者数は3/4に減少してしまっています。これはJ2は試合数が多いので、それが影響しているのかもしれません。単純に比較できるものでは無いのかもしれませんが、なにはともあれ、年間の動員数は、2002年に比べて増えています。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%99%E3%82%AC%E3%83%AB%E3%82%BF%E4%BB%99%E5%8F%B0

楽天のほうは、一試合平均15000人で、まさに今のベガルタと同じくらいの入場者数です。

仙台の、スポーツ観戦というくくり全体の動員数は、本当に2倍以上になりました。
#まあ試合数とかは置いておいて。

今考えると、いろいろ考えるところがあるなあ

確かに、サッカーとは別のものを作るという発想は理にかなってます。リーチしにくい顧客をつかむ努力をするよりは、新しいマーケットを開拓したほうが良いということ。J1に上がって、スター選手が仙台に毎週来るのに、それでもスタジアムへ行かない人は、サッカーは絶対に好きじゃないんですね。そんな人を踊らせるために広告費を使うのだったら、もっと別なことに使った方が効率的です。

そして、サッカーに対して野球、という素材が絶妙。
サッカー派と野球派は、あんまり被らないのでは。同じ県に2個あっても、片方が片方を食うことはなさそうです。
逆に言えば、特にドンパチが無いのでどっちも応援できます。クリスロード商店街の垂れ幕にも、「ベガルタ仙台東北楽天ゴールデンイーグルスを応援しています」と、両方書いてました。
協賛も、ベガルタ楽天の両方に出している企業が居ます。大口で言えば七十七銀行東北電力、藤崎など。仲良く両方に出しています。

あと、これは楽天だけの話だからちょっと違うんですけど、名前に「東北」ってつけるのは、この地方ならではの発想だと思います。東北六県の中心はやはり仙台なので、仙台で事を起こすということは、東北六県を相手にできるわけです。でもね、おらほの町が大好きなんですよ。東北の人って。だから、仙台の球団です、って言うより、「東北共通のものですよ」と言って仕掛けたほうが良い。
地方球場を回るというのはすごく良い試みだと思います。

まとめ

重力ブログは、ゴールデンゴールズを応援しています。